こんちゅう

エッセイ・小説・ブログ・楽譜置き場。 不定期更新。

小説

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<<5 目の前に広がるのは、上に伸びる螺旋階段と、地下へと続く小さな梯子。 螺旋階段を上り時計台の頂上に行けば、何かが分かるかもしれない。 この島のこと、そのすべてが明らかになるかもしれない。 どうして大人たちは、機械なのか。 そして僕たちは、ど…

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<<4 「ハァ、ハァ・・・」 3人に追いついた時にはすでに、僕らは時計台のふもとの広場の真ん中に居た。 時計台。この島の一番頂上にそびえ立つ、この島の象徴とも言える建物。古いレンガ造りで、高さは20mちょいとそこまで高いわけじゃない。その代わり…

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<<3 「・・・」 僕達は谷瀬さんだったものから目を離すことができない。 「・・・おい、なんだよこれ」 僕たちは人が残骸へとなり果てる姿を、一部始終見ていたのだ。 「・・・、なんだよこれ、どうなってんだよ!!」 慶介が叫ぶ。「俺は知らねぇ。俺は知ら…

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<<1 「ボートぉ?」 3人は怪訝そうな眼でこちらを見てくる。まぁ想定済みの反応だ。 「考えてもみろよ。僕らもう中3で15歳だってのに、一度もこの島から出たことがないんだぜ?TVなんか見ると、外の奴らは楽しそうにカラオケ行ったり、ゲームしたり。…

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<<プロローグ 日光がぎらぎらと照りつけるなか、僕たちは汗だくになりながら坂道を下っている。今日は7月22日、終業式の日。つまるところ夏休みの始まる日だ。 僕たちは先ほど終業式をおわらせ、家に帰っている途中だ。 「はあ、やっと学校も終わりだぜ。…

プロローグ

華やかなチャイム音とともに、新郎新婦は時計台からゆっくりと歩いてきた。地面には赤いカーペットが敷かれ、僕たちはそれを挟み込むように立っている。空には雲一つない。 真っ白なウエディングドレスに身を纏った花嫁が笑顔をふるまいている。新婦はどこか…