こんちゅう

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はじめて学ぶパーソナリティ心理学 (一日一冊、2/9)

今日は大阪に、私の成人祝いということでお寿司を食べに行った。
念願の「回っていない回らない寿司」である。イカは醤油ではなく塩で食べるという話が本当だったんだと知った。
ワサビも今まで食べたことないくらい上品な味わいで、非常においしかった。満足。

 

さて、本日は「はじめて学ぶパーソナリティ心理学」(小塩真司、2010、ミネルヴァ書房)を読んだ。著者は名古屋大学卒業、出版当時は中部大学の准教授で、現在は早稲田大学の教授をしているらしい。研究室のサイトを除くと、どうやら心理データ解析、尺度作成などを精力的に行っているようだ。

読んだきっかけは、私が今期、京都大学の講義「健康心理学I」で様々な精神疾患について学んだが、そのなかでパーソナリティが「精神疾患とまでは判断されないが、その人の性格、特徴を表すもの」と紹介されており、図書館をブラブラしていたときたまたま「パーソナリティ」という単語を発見し、手に取ったという訳だ。つまりたまたま。

 

この本はタイトルからも推測できる通り、主に大学に入ったばかりの学生に対する心理学の講義の教科書として執筆されているが、読み物としても十分面白いようになっている。主な内容は、
・パーソナリティの定義、パーソナリティを測る検査としてどのようなものが適当なのか
・類型論と特性論について、そしてパーソナリティは特性論によって語られるべきであること
・世間で普及している血液型検査や、パーソナリティが遺伝からくるか環境からくるかなどの議論に対する見解

などである。

初学生向けの本ということで非常にかんたんに書かれているので、一部の人にとっては冗長に(特に後半は)思えるかもしれない。だが全体の流れとしてうまく纏まっており、筆者の伝えたいことはきっちり伝わってくる。
特に、パーソナリティやIQを図る検査としての要請についての説明は非常に興味深かった。おそらく心理学の実験などではさまざまな尺度を図る質問や実験を用意するだろうが、それが満たすべき条件をひとつひとつ丁寧に解説されており、我々が普段用いる、もしくは私が受けた「健康心理学I」で学んだような検査はこのようにして成り立っているのだなと感心した。教養としても意義のある内容なので、心理学に少し興味があれば十分読む価値のある本だと思った。

 

はじめて学ぶパーソナリティ心理学―個性をめぐる冒険

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