がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事(一日一冊、2/15)
いよいよ手をだしてしまったという感じがある.民間人による健康,それもがん治療の本だ.
とはいえこの著者はテレビにも出演したこともあり,なかなか名前が通っているらしい.そして肝心の本の中身も,まあそこまで極論に走っていないかなあという内容だった.
内容としては,がんで余命ゼロと言われた著者の神尾さんが,抗がん剤に頼ることなく14年もの間,食事の力だけで生き延びてきたという話.野菜は本物の野菜をとか,食品添加物は良くないとか,工場で精製された調味料(砂糖,塩,しょうゆなど)は良くない,体を温める食事をしなさいなど,まあ常識的な範囲であり,素人目に見て「これ実行しちゃヤバいでしょ」というのはなかった.
がん云々は置いておいても,まあ最高に健康な食事を目指せばそうなるわなという感じだった.今後どうしようもなく体の調子が悪くなり,薬もあまり効かないとなったら,この本に書いてあることを参考にするかもしれない.
ただもちろん,ケースバイケースである.この人にとってはこの方法ががんに効いたんだろうが,他の人にとってはどうか分からない.今やがんの治療も発展していっているので,私がもしがんにかかったときにどうするかはまた別の話だ.
ところで,こういうことを本当に研究している人の本なんかがあれば読みたいものである.この本は根拠が余りにアバウトで,もちろん科学的なんかとは程遠い存在であった.
(例えば,この人はもともとフレンチのシェフなのだが,がん治療に日本食を採用している.その理由は「昔の日本人はがんなんかほとんどかかっていなかった」なのだが,それは本当に?という感じだし,そもそもじゃあ昔のフランス人はがんにかかりまくっていたのかという話である)