こんちゅう

エッセイ・小説・ブログ・楽譜置き場。 不定期更新。

インストール (一日一冊、2/5)

どうにも私は物事を続けることが苦手な性格らしい。いや、薄々気が付いてはいたのだが、その傾向は大学に入ってからの体たらくに濃縮されて発現したのかもしれない。
そんな性分をなんとか変えるべく、この春休みは少し変わった試みをしようかと思う。「一日一冊、読書感想文」である。

 

もちろんそのポイントは「一日一冊」であることだが、その本は基本的にランダムに選ばれるという特徴を持つ。つまり、図書館に行き、適当に目に入った本を読み、その感想を書くのだ。
もちろん、時間の関係上一日一冊も読んでいたら日が暮れるので、途中まで、あるいは最初の数ページで打ち切ることとなるかもしれない。それでもまあ、自らの知見を広げる役目も兼ね備えて、この春休み、おおよそ2か月の間、コツコツと続けられたらいいなと思う。

 

さて初日、2月5日だが、残念ながら試験があったので図書館に行くことが出来なかった。そこでまあ、家に置いてある本の感想を適当に書いてお茶を濁そうかと思うのだが、そんな中で私が選んだ本は、綿矢りさ「インストール」である。
この本は高校2年生くらいのときにはじめて読んだのだが、私が人生で読んできて最も衝撃を受けた2冊の本のうちの1冊である(もう1冊は、言うまでもなく、村上春樹の「1Q84」だ)。

 

ざっくりとしたあらすじは、不登校になった女子高生が同じマンションに住む小学5年生の男児と共にエロチャットビジネスをするという、きわめて珍妙な話に見えるが、最も卓越した特徴はその美しい日本語にある。流れるような軽快な日本語に、読者はきっと引き込まれるに違いない。
例として、この本の解説にも載っていたのだが、私が好きな一節を紹介しよう。

 

まだお酒も飲めない車も乗れない、ついでにセックスも体験していない処女の十七歳の心に巣食う、この何物にもなれないといいう枯れた悟りは何だというのだろう。歌手になりたいわけじゃない作家になりたい訳じゃない、でも中学生の頃には確実に両手に握りしめることができていた私のあらゆる可能性の芽が、気づいたらごそっと減っていて、このまま小さくまとまった人生を送るのかもしれないと思うとどうにも苦しい。もう十七歳だと焦る気持ちと、まだ十七歳だと安心する気持ちが交差する。この苦しさを乗り越えるには。分かっている、必要なのは、もちろんこんなふうにゴミ捨て場へ逃げ出すのではなく、前進。人と同じ生活をしていたらキラリ光る感性がなくなっていくかもなんて、そんなの劣等生用の都合の良い迷信よ、学校に戻ってまたベル席守ることから始めなさい! 光一口調で自分を叱ってみたが、しかし、やっぱり私は動けなかった。自分にほとほと呆れ、仰向けになってさびれたコンクリートの四角の切れはしからのぞいている暮れかけの空を見上げる。
光一の言葉、時々母にも言われる言葉を思い出した。
あんたにゃ人生の目標がないのよ。

 

このリズミカルなことばに乗って、リアリティがまざまざと湧き上がる。この本は間違いなく、私の一生の「日本語の教科書」となることだろう。

 

 

インストール (河出文庫)

インストール (河出文庫)

 

 

Unityを使ってARでMMDモデルを動かしてみた話

wottoです。

タイトルの通り、Unityを使ってARでMMDモデルを動かす方法を備忘録的に書きます。

今回プログラムは一切書いておらず、本当に簡単に実装できます。このレベルが無料でできるなんて、最近は本当に色々すごいなぁ~と感じました。

ところで私自身はUnityもMMDも全く使ったことがなかったので、その辺色々雑かつ間違いを含んでいるかもしれませんが、どうかご容赦ください。さらに筆者の環境はWindowsなので、他のOSのことはよく分かりません。

 

まず、どのようなことが出来るか見せます。

 

 

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はい。美奈子ちゃんは可愛いですね。もしこの記事が役に立ったらRTしてやってください。

 

使わせていただいたモデル・モーション等をここに記載します。本当にありがとうございました。

佐竹美奈子

【MMDモデル配布】佐竹美奈子。 / mk2 さんのイラスト - ニコニコ静画 (イラスト)

サンタ袋

【MMDモデル配布】佐竹美奈子。 / mk2 さんのイラスト - ニコニコ静画 (イラスト)

サンタ帽

【MMDアクセサリ配布】物理入りサンタ帽子 / BloodyKylie さんのイラスト - ニコニコ静画 (イラスト)

 忍び歩き

【第17回MMD杯本選】モーション(歩き・走り)配布【フルボイス】 - nicozon

アイマスモーション

MMDアイマスコミュモーションパック配布所

日常・非日常モーションセット

【モーション配布】日常・非日常モーションセットVol.3【MikuMikuDance】 by えれこみゅ@すのこバーンP その他/動画 - ニコニコ動画

WAVEFILEモーション

【MMD】 WAVEFILE fullver. 【モーション完成】 by hino VOCALOID/動画 - ニコニコ動画

 MMD4Mecanim(変換スクリプト

Stereoarts Homepage

 

目次

 

 

Unityをインストールする

 

まずはここから始めます。ただしここで一つ注意すべき点があって、なんとUnity2017.2からVuforiaがUnityに統合され、とても使い易くなりました。ネットのARの作り方みたいな記事は古いのが多く(技術的には5年前からあるので...)、回りくどいやり方をしている所が多いので注意してください。

必要な手順は、インストールする際にチェックを入れるところがあるのですが、そこから「Vuforia Augmented Reality Support」を探してチェックを入れてください。

 

Vuforiaに登録してマーカーをダウンロードする

 

ところでVuforiaとは何かというと、ざっくりと言うとARを作るためのライブラリです。それを使う際色々登録する必要があるのでします。

https://developer.vuforia.com/

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このページにとび、まずはアカウント登録してください。

その次にDevelopタブを開き、TargetManagerからAddDatabaseを選択します。

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TypeはDevice、名前を適当に入力してCreateを押すとDatabaseが作成されます。

作ったDatabaseが一覧で表示されるので、使いたいDatabaseをクリックして詳細画面に入り、AddTargetを押します。

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TypeはSingle Image、Fileはマーカー、つまりその上にMMDモデルを表示させる、召喚魔法陣として使用するための画像を選びます。任意の画像が選べます。

Widthはよく分からないですが私の環境では100で動きました。

これでマーカーが出来たのでDownload Database(All)をクリックしてダウンロードしましょう。

ちなみにマーカーを作成すると、そのマーカーが認識しやすいか5段階で評価してくれます。が、星2のマーカーでも普通に動いたので、軽く使う限りにおいては何でも大丈夫なのではないでしょうか。

 

ここでは内田伏一著「集合と位相」をマーカーとして用います。

 

集合と位相 (数学シリーズ)

集合と位相 (数学シリーズ)

 

 

内田先生ごめんなさい。この本は名著です。(アフィみたいになってますが...)

 

最後にLicence Key を登録します。「License Manager」からGet Development Keyをクリック、いろいろ必要事項を記入すると灰色ボックスに囲まれたLicense Keyを獲得できます。このLicense Keyはいつでも確認できます。

(Buy Development Keyにするともっといろいろなことが出来るみたいですね)

 

 

MMDモデルを用意する

 次にお好きなMMDモデルとモーションを用意します。
私は前述の「佐竹美奈子」と「WAVEFILE」を使用します。MMDモデルには詳しくないのですが、とりあえず拡張子が.pmdであればいいのかな。モーションファイルは.vmdです。

 

このままではUnityに読み込めないので、fbxという形式に変換するスクリプトを導入します。

http://stereoarts.jp/

このページにあるMMD4Mecanim(Beta)をDLしてください。

 

 これでUnity上でMMDモデルを動かすのに必要な素材が全て揃いました!

 

 

MMDモデルをFBX形式に変換する

ここからはUnity上での作業となります。Unityを起動してNew Projectを作成します(もちろん3D)。
Assetsに用意したMMDモデル、モーションをドラッグ&ドロップで入れます。フォルダごと入れた方が楽かも。

次にDLしたMMD4Mecaniumのフォルダ内にある「MMD4Mecanium.unitypackage」をAssetsにドラッグ&ドロップします。

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importをクリックします。

するとAsset内で使用したいMMDモデルを見るとInspector欄に「利用規約をご確認ください」と出るはずです。利用規約をしっかりと確認して、同意するをクリックしてください。

すると次の画面でVMD(None)となっていると思うので、そこにモーションファイルを入れます。複数個モーションを使用したい場合、それら全て入れます

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こんな感じ。Processをクリックすると、もともとMMDモデルがあったところと同じ階層に、FBX形式のファイルが出力されます。

 

Vuforiaを使う準備をする

まずEdit - Project Settings - Playerを選ぶとInspectorに色々設定が表示されます。

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その中の下の方にあるVuforia Augmented Realitにチェックを入れます。

先にマーカーをインポートしてしまいます。先ほどDLしたマーカー(拡張子は.unitypackage)をAssetsにドラッグ&ドロップしてImportをクリックすると取り込まれます。

次にHierarchy上のMain Cameraを削除、右クリックでVuforia - AR Cameraを追加します。この際VuforiaがUnityに取り込まれます。

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InspectorにあるOpen Vuforia configurationを押して、Add License Keyから先ほど取得したKeyを入力します。さらにDatabasesから使いたいマーカーを選択してActivateします。

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さらに使うウェブカメラを指定したいときは、さらに下にある項目から選べます。

 

次にHierarchy上で右クリックしてVuforia - ImageでImageTargetを作成します。

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Inspector内のImage Target Behaver のDatabaseを好きなマーカーに変更して完了です。

 

MMDモデルを表示させる

実際にMMDモデルを載せていきます。

先ほど生成したFBX形式のファイルをImageTargetの子オブジェクトとしてHierarchyに入れます。

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少し美奈子ちゃんが大きすぎたので、HierarchyのImageTargetと佐竹美奈子のInspectorでScaleを調整しています。

このままだとなぜかモデルが白く表示されてしまうので、Directional Lightを選択、左上の回転ツールを押して、縦に180度くらい回転させます。

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こんな感じ。

この時点で上の再生ボタン(みたいなやつ)を押して、カメラにマーカー(この場合では集合と位相)をかざすと、ちゃんとMMDモデルが表示されます。

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わーい。

 

MMDモデルを動かす

Asset内で右クリックを押してCreate-AnimationControllerを選択、AnimationControllerを生成します(画像ではAController)

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これをダブルクリックするとAnimatorが表示されます。これはモデルの動きを管理するところです。

ここに、先ほど生成したFBXファイルの中にあるモーションファイルを入れます。

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最後に、生成したAnimationControllerを、Hierarchy内のMMDモデルのInspectorにあるAnimator内の、Controllerというところに入れます。

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これで終わり。先ほどと同様に開始してマーカーをかざすと、美奈子ちゃんが踊ってくれます。

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さらに出来ること

ここではモーションは1ファイルだけでしたが、AnimationControllerを操作すれば、ちゃんと複数個のモーションを切り替えて使用することが出来ます。

さらに、上に乗せたツイート内の動画では美奈子ちゃんはサンタ帽を被っていたのですが、それはPMDエディターというものを使ってモデルとアクセサリーをくっつけました。割と適当にやってもある程度まともに動くので、ちょっと一工夫してみたい人は是非チャレンジしてみて下さい。
(PMDエディターをインストールして起動しようとした際にエラーが起こる可能性がありますが、自分の場合は適当にネットを調べて適当に必要なファイルをインストールすればできました)

さらにさらに、UnityはAndroid向けにビルドできるので、これで、「集合と位相さえあればいつでもどこでも美奈子ちゃんが踊ってくれる」という素晴らしいアプリが誕生するかもしれません。Android持ってないんで知らないですが。

 

ARの将来性について

本筋とは全く関係ない話をします。

ここで言うARとはいわゆる狭義の意味で、「実世界の映像に追加でリアルタイムに情報が表示される」ことを指すとします。

実際ARを作ってみて、すごく簡単に作れて、もっといろいろなことが出来そうな気がしますが、で実際ARアプリを作ったところで面白いのか?という問題があります。

個人的な感想そしては、今更ARアプリ作ったところでなぁ...という気持ちです。まずマーカーに常にスマホやらWebカメラやらを向けておかないといけない時点で面倒ですし、バッテリーも結構食います。ポケモンGOではだんだんカメラAR機能が使われなくなっていきましたし。

将来性があるとすれば、VRゴーグルをかけてそこにAR的な映像を映す、これは面白そうです。来年是非チャレンジしてみたいですね。

 

おわりに

美奈子ちゃんかわいい。

 

参考

このページの情報は以下の素晴らしい記事の内容を組み合わせただけです。

本当に助かりました。ありがとうございます。

MMD4Mecanimを使用してMMDモデルにUnityで踊って頂いてみた。 - Qiita

【Unity+Vuforia】ARアプリを作ってみよう!! | スマホアプリ開発のイーディーエー

【30分でできる】Unityで簡単にARアプリを作る - キリンを召還するブログ。

Unityでも使える無料ARライブラリVuforiaの基礎知識とライセンス登録、インストール、簡単な使い方:Unity+ARで何ができるのか(1) - @IT

UnityでMMDキャラを動かしてAR - トマシープが学ぶ

【Unity2017】VuforiaでAR入門してみるpart2 - エンジニアもどきの雑記

 

 

2017/12/30

「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」ピアノメドレー 楽譜


【ピアノ】「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」ピアノメドレー【ミリシタ】

 

今までで一番時間がかかりました。主に繋ぎの部分をどうするか。。。激しい曲が多いので繋げにくい。。。

以下楽譜

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 2017/9/29

100%確実にTwitterをやめる方法

皆さんは「Twitterやめてぇ!」と思ったことはありますか?

Twitterは気軽に人とコミュニケーションが取れ、さらに多くの興味深い情報を獲得することができる、非常に有益なツールです。電車内などの暇つぶしに使用する人は多いのではないでしょうか。

その反面、Twitterを使うことにより実生活に悪影響を及ぼす可能性もあります。例えば、TwitterのTLを見たりリプライを送ったりするだけで一日の大半の時間を費やしてしまう人もいるでしょう。また、Twitter内で構築された人間関係にうんざりしてしまうような事例も起きるでしょう。

さらに、この話は常々主張しているのですが、Twitterは悪く言えば「馬鹿発見器」です。ツイートというものは特に深く考えずに呟くものなので、その人の本性が明確に現れてしまいます。

 

このように、Twitterには悪い面も数多く存在します。そして、何らかの理由により「あー、Twitterやめたいなー」と考える人も居ると思います。

しかし、Twitterは面白い。TLには友人たちの楽しげなツイートが流れており、Twitterをやめるとその人たちとの人間関係が薄れてしまうかもしれない。時間の無駄だと分かりきっていても、こんな暇つぶしに最適なツール、やめるにやめられない。

そんな人たちのために、今回私は「100%、確実にTwitterをやめられる方法」を提唱したいと思います。尚この方法は効果に個人差がありますので、辞めれなくても責任は負いません。ははっ。100%じゃねぇじゃん。

 

ウェイの方々

周りをよく見渡してください。君の周りには、キラキラと輝いているウェイ達がいるじゃないですか。彼らに混ざってウェイウェイすればいいんですよ。ウェイ。ウェーイ。ウェイウェイウェイ。

 

ウェイではない方々

Twitterアプリも、Twitterアカウントも消す必要はありません。パスワードを保存しないことにより手間がかかる云々といった方法も無意味です。いつも通りTLを眺めてもいいんです。

ただし、あなたは決してツイートしてはいけません。リツイートや、いいねも押してはいけません。リプライも勿論だめです。

要するに、こちらからTwitterコミュニティに対して何らかのアクションを起こしてはならないのです。

これを1週間くらい続けてみて下さい。すると、あなたは不思議とTwitterに対する関心が薄れていくことでしょう。SNSというものは基本的にインタラクティブなものなので、ただ見ているだけだと急速にその価値を失います。承認欲求の不成立と換言してもいいでしょう。

こうしてあなたは、自然とTwitterを引退することができます。いや、たまに暇つぶしにTLを眺めることがあるかもしれませんが、その時には少なくとも、「Twitterをやめたい」と思うようになった諸問題は解決されていることでしょう。

 

 

どうでしょうか。最も重要な点は「ツイ禁」ではなく「引退」だということです。

この方法で空いた時間を、他の趣味に大いに活用してください。ちなみに筆者は未だにずるずるTwitterを続けています。

VR安楽死について——ヤンデレに刺殺される人生

VR安楽死について考えます。9割ネタです。

 

皆さんは老後について考えたことはありますか。いや、1年後の未来さえ分からないのにそんな何十年後の話なんて分かる訳がない、となる人がほとんどでしょう。

しかし、将来のことが不確定であればあるほど、私たちはそれに対してあらゆる可能性を想定して対処しなければなりません。

私たちにとって”最悪”の老後とはなんでしょうか。生涯独身で家族はおらず、骨が弱くなり寝たきり状態になり、介護の人に世話をされながらずるずると孤独に一生を終える......さらに、そのような生活を送るにつれてお金が足りなくなり、最終的に老後破産となってしまうかもしれません。

そのような状況を避けるためには、「安楽死」という手段が残されています。しかし、現代の日本ではそれは法律で認められていません。ただ、海外のいくつかの国では安楽死が合法化された例もあるので、そのうち日本でも安楽死が選択肢の一つとして選べるようになるかもしれません。ここでは、安楽死が合法化された(もしくは、そのような国に住んでいる)と仮定して話を進めます。

 

ここでちょっと考えてみてください。ただ死ぬのって勿体なくないでしょうか。どうせ死ぬんだったら、一度しかない人生、ヤンデレに刺殺されて華々しい最期を迎えたくないですか?

VR安楽死ビジネスとして、「1ヶ月ヤンデレ刺殺パック」を提供します。ユーザーは1ヶ月間、専用の施設で寝たきりとなります。ユーザーはVR設備を装着し、バーチャル空間で輝かしい高校時代に戻ります。そこでユーザーは、とある一人の少女と運命的な出会いをするのです。

物語の進行に合わせて、気温などが調節されます。排泄物や栄養摂取は機械で自動的にバーチャル空間とリンクされ、管理されます。

ユーザーはバーチャル空間で、その少女と段々仲良くなっていき、次第にお互いに恋愛感情が芽生えるようになります。しかしユーザーには、その少女と結ばれることが出来ない特別な事情があります。例えばユーザーは名家の子で、すでに許嫁がいるとしましょう。その少女との不適切な関係を親に見破られ、親はあらゆる手を使いその少女とユーザーの仲を引き裂こうとしますが、それでも少女の愛は揺らぐことはありません。

そこで、親はユーザーに真実を打ち明け、ユーザーは少女との恋愛を諦めるしかない、と考えるようになります。例えば、許嫁と結婚しなければ自分の家の立場が無くなり、関係する人全てが職を失い、路頭に迷うこととなるとします。しかし、少女のユーザーに対する気持ちはあまりにも深く、ユーザーはなかなかそのことを少女に打ち明けることが出来ません。

そうこうしているうちに、親が引越しを提案し、ユーザーはそれを受諾します。どうせ報われない恋ならば、いっそもう二度と会わない方が少女にとっても楽だ、と考えます。引越しの準備は淡々とこなされていきます。

そして引越し当日、ようやくユーザーは少女に別れを告げる決意をします。少女と初めて出会った桜の木の下で待ち合わせをします。桜は満開でした。少女がやって来ます。ユーザーは少女に、この恋はもう報われないこと、これから自分は引っ越すということ、もう二度と会えないことを語ります。しかし少女は意外にもあっさりと受け入れてくれました。ユーザーは安心して、最後に別れの挨拶を告げ、その場から立ち去ろうとします。

しかし、少女に背を向けた直後、背中に何か熱いものを感じます。驚いて振り返ると、少女が——ヤンデレちゃんが、血にまみれたナイフを持っています。そこでユーザーは初めて、自分が刺されたということに気づき、痛みが彼を襲い、叫びます。

ヤンデレちゃんは初めから何もかもを知っていたのです。ユーザーの家の複雑な事情も、ユーザーが自分よりも家の人たちのことを優先させたことを。でもヤンデレちゃんは、それを認めようとしませんでした。ユーザーは誰よりも自分のことを愛していると信じてやまなかったのです。そうして、ユーザーが自分以外の誰かを愛するくらいなら、お互いを愛したまま、その状態で全てを終わらせよう。そう考えるようになったのです。

激しい苦痛に襲われるユーザーに対して、ヤンデレちゃんは何度もナイフを突き刺します。ユーザーは朦朧とする意識のなかで、ヤンデレちゃんが泣いていることに気づきます。そうして意識の消える最後、ヤンデレちゃんの言葉を聞きます。「愛しているよ、さよなら」

 

この時、ユーザーはようやく、自分が死ぬんだということを自覚します。自分は「1ヶ月ヤンデレ刺殺パック」を利用したのだから、確実にここで死ぬのです。そのことを思い出します。

ユーザーは考えます。本当にこれが自分の人生の最期でいいのかと。造られたバーチャル環境に、造られたバーチャル・ヤンデレ。誰かによって用意されたレールに沿って、誰かによって用意された物語のままに、自分は死んでしまうんだ。

しかし、それは人生についても全く同じことに気がつきます。人間というものは、生まれ、そして必ず死ぬ。誰しも共通しているのです。

小さいころは死ぬのが怖かった。自分とは何か、人生とは何か、死ぬとどうなるのかを考え始めると、背筋がぞわっとしてそれ以上考えられなくなった。眠れなくなった。大人になってからは、そんな事を考えることは無くなった。考えても仕方ない、と悟ったからであろうか。それとも、自分がいずれ死ぬということを無意識のうちに受け入れてしまったからだろうか。自分がレールに沿って生きていくことを認めてしまったのだろうか。

それでも、そんな中で、たくさんの人と出会い、いろいろなことを経験して、様々な思いを抱くのです。それは紛れもなく自らの選択によってもたらされるのです。ヤンデレちゃんに出会い、ヤンデレちゃんに愛され、ヤンデレちゃんに刺殺されるのも自分の選択。決められた物語だとか、仮想的なものだとか、そんなものは関係ない。これが自分の人生だと、胸を張って言えるのです。そして最後に、ユーザーはこう思うでしょう。「ああ、人生のなんと痛快たるや!」

 

この時、現実の世界では、安楽死のための薬剤がユーザーに投与されます。

 

 

2017/8/7

川を上る

三月某日の朝、私と友人Sは集合場所である駅前広場に来ていた。まだ冬が抜けきっていないのか、コートを着ているにもかかわらず少し寒い。辺りに人は少なく、閑散としている。シャッターは閉じられたままだ。ここも次第に寂れていくのかな、と思うとどこか悲しくなる。

二人は自転車を携え、リュックサックを背負い、帽子をかぶっている。ファッション度外視、機能性重視のスボン。まるでどこかに探検に出かけるかのような格好である——そしてその印象は間違っていない。

全ては昨晩、友人Sの突飛なLINEから始まった。

 

「なぁ、明日、川の“始まり”ってのを見に行かないか?」

 

風呂上がりに動画を見ていると、唐突に通知のポップが表示された。川の始まり?私が戸惑っているうちに、もう次のメッセージが届いていた。

「つまり、源流ってことだな。川をどんどん遡っていくと、いつか絶対“始まり”の地点にたどり着くじゃん」

「水が湧き出ていたり、小さな池だったりするってことか」

「そういうこと。そこから全てが始まる、ちょっとしたロマンじゃない?」

私はなるほどと納得したが、しかし——

「——しかしお前は、2日後にはもう東京に行かないといけないじゃないか。こんな急に壮大なこと言い出して、大丈夫なのか」

少し間が空いて、

「だからこそ。結局俺とお前、高校卒業してから一回も遊べなかったからな。東京に行っちゃえば、次いつ会えるかもわからない。今しかないんだ」

オンライン上だったらいつでも会えるだろ。そう打ちかけて、野暮だったのでやめた。

「じゃあ明日の朝9時、駅前広場で集合。自転車使うから乗って来いよ」

 

といった経緯で決まった、いわゆる小探検、というものであろうか。駅前すぐを流れる久瀬川沿いに自転車を走らせ、無謀にもその源流まで行こうという、なんとも時間と体力を無駄にしているような気がしてたまらないような企画である。もっと他にやるべきことが残っているんじゃないか。正直なところ、私はあまり乗り気がしない。ところが——

「——じゃあちょっくら行きますか!」

Sが叫び、ペダルを思い切り漕ぐ。どうやら彼は、ノリノリのようだ。

 

駅前を流れる久瀬川に沿って走る。川は朝の光を反射してきらきらと青く輝いていた。いつも高校の通学路として通っていた高瀬大橋を越えると、とたんに私の知らない地域に入ってしまう。スマートフォンを持っているので迷うことはないが、それでも土地勘のない場所を走るのは些か心細い。

初めのうちは二人ともスピードを出していたのに、疲れもありいつのまにか喋りながらゆっくり並走していた。こんな危険なことをしても大丈夫なのが、田舎の良いところである。

 

 

私たちはずっと喋り続けていた。卒業したからこそできる話。勉強のこと、部活のこと、文化祭のこと、嫌いなクラスメイトのこと、好きだった女の子のこと。

期待と不安で一杯であった入学式、たまたま席が隣であっただけの繋がりが私たちである。部活も違うし、趣味も違うし、性格も違う。2人はそれぞれ、全く違う3年間を歩んできた。それでもどうしてか、私たちは入学から卒業まで、ずっと仲がよかった。

嬉しい事もあったし、悲しいこともあった。後悔してももう取り戻しのつかないことだってあった。でも、卒業してしまえばもう過去の話である。私たちはこのはかない青春を、心ゆくまで語り合った。

 

 

1、2時間経ったであろうか、次第に川は細くなり、舗装が少なくなっていく。川に沿った道がなくなる時もある。そんな時はスマートフォンの地図アプリを見て、次に川沿いに繋がっている道を調べ、そこまで迂回する。かなり遠回りになる時もあった。ずっと漕ぎ続けているので、少し肌寒い気温がちょうど良く感じる。土や草のにおいを直接感じる。日はもうかなり高くなっていた。

 途中に見つけたコンビニで軽い昼食をとった。おにぎりとパンという最悪な取り合わせだが、学生の胃袋にはちょうどいい。

 

栄養を補給し終えてさらに進んでいくと、ついに川は細りに細り、これ以上は自転車では追いかけることの出来ないまでになった。

「まぁここら辺で自転車を止めて、あとは歩いていこう。地図上ではもう少しのはずだ」

私たちはそこからは歩いて源流を目指すことにした。おおよそ道という道は存在しないので、川沿いの茂みをかき分けて進んでいく。標高もますます高くなっている。もはや川は川というより、水たまりといった方が正しいほどに浅くなっていた。不安定で狭い足場が続くので、Sを先導にし、私たちは縦に並んで源流を目指す。

 

「そういえばさ、東京での下宿先はもう決まってるのか?」

「ああ。狭いところだが、大学からは近いし、落ち着ける。良いところだ。もし東京に遊びに来ることがあったら、いつでも俺ん家に泊まっていいぞ。その時は、東京案内も兼ねて一緒に遊びに行こうな」

「どうだか、かぶれなきゃいいが」

はは、と笑ってやり過ごされた。Sはきっと東京でも友達を作り、輝かしいキャンパス・ライフを送るのであろう。そしてそれは、私も同じ。

 

 

しばらくして、Sが急に立ち止まった。どうした、という前に私もすぐその変化に気づき、思わず息を呑んだ。水が途切れている。川が無くなった。すなわち、ここが源流だ。ここが久瀬川の“始まり“だったんだ。

ここら一帯は地面が枯葉で覆われている。腐葉土だ。おそらく、この辺り一帯の雨水が腐葉土の中をめぐり、少し標高の低いここに集まっているんだろう。

最初はこんなにか弱い、触れるとすぐに潰れてしまいそうなところから、少しづつ少しづつ水を集め、他の川と混ざり、うねり、そして大きな川となって海に出る。想像しただけであまりにも壮大な自然の摂理の根源に、私は今、立っているのだ。触れているのだ。

 

 

私はその神秘さにしばらく心を打たれていた。だが彼は——

「——こんなもんか」

Sは軽くそう言った。それだけであった。

 

 

 

Sの言葉のその真なるところは定かではない。字面通りの意味かもしれないし、私と同じように感動した余りの発言だったのかもしれない。あるいは、もっと別の意味があったのかもしれない。それを知るのはS、ただ一人である。私にはわからない。誰にもわからない。

しかしただ一つ、誤解しないでほしいことがある。少なくとも、私たちは今回の川上りをひどく満喫した。未知なる地点を目指して手探りに探索するのも楽しかったし、三月の山の空気と匂いは気持ちのいいものであったし、何よりお互いに喋りたいことを喋り尽くすことができた。価値があった。有意義であった。大学進学する前の友人との最後の旅として、何も間違ってはいない。何も間違っていないんだ。

 

 

 

私たちはその後、私の体力が限界を迎えたこともあり、行きの倍近い時間をかけて駅前広場に戻った。もう時刻は夕方であった。

「じゃあ、またな。夏休みにはまた戻って来るだろうから、その時に会おうぜ」

と言い残してSは自転車で去っていく。どこにそんな体力が残っているのだろうか、猛スピードで広場を横切り、川を越える橋にさしかかる。

はっとして私もすぐ、絶対だぞ、と彼に向かって叫ぶ。聞こえただろうかと思っていると、Sは橋の上で、器用にも右手でグーサインを出した。

 

 

——何も間違ってない、のだが。

 

赤い陽の光が空と彼を包み込む。私はなんだか、川の向こう側の友人Sが、とても小さく、頼りなくみえた。

 

2017/5/22

YahooカレンダーとMacのカレンダーを同期させる方法

Macbook使い心地いいですね。これにWindowsが入ってたら完璧なのに。(と書いたらマッカーさん達に怒られる)

 

さてMacbookにデフォルトで入っているカレンダー(iCalと言うらしい)と、私が普段愛用しているYahooカレンダーとの同期方法。

 

.Macデフォルトのカレンダーを開き、画面一番上のバーに並んでいる「カレンダー」をクリック、さらに「環境設定」を押す

2.「アカウント」をクリックして左下の「+」ボタンを押す

3.いろんなカレンダーサービスを選択できるから、あとは適当に選択してログインするだけ!

 

...ということでYahooカレンダーとは同期できたんだけどGoogleさんはいつまで待っても反応しない。どーしてだろう。不思議。

以上Macに慣れるための練習。またいつか。

 

P.S. Macのスクショ機能すごいね!

 

2017/4/16