こんちゅう

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経済はナショナリズムで動く (一日一冊、2/8)

この日は友人と昼から遊んでいて、帰ってくるころには疲れてすぐ寝てしまった。
というわけでこの文章を書いているのは翌日、つまり2/9だ。三日坊主とはよく言ったもので、つまりそのまま私のことである。

かといってここで辞めたら本当の莫迦なので、今日この文章を書こうと思う(ちなみに半分くらいは2/8に読み、もう半分は2/9に読んだ)

 

今日の一冊は経済学から、「経済はナショナリズムで動く」(中野剛志,2008,PHP研究所)という、東京大学出身で現在経済産業省に勤めている人の書いた、少し古い一冊だ。


内容を要約すると、今の時代はグローバリゼーションだ経済自由主義だなんだ騒がれているが、実は現時点で世界の経済を動かしているのはナショナリズムで、我々日本もそれを理解したうえで適切に「国力」をつける政策をとらねばならない。
さらに言うと、よく言われるグローバルな国際機関を編成して国民国家の枠組みを超えた問題対処を目指そうなどいう意見は非現実的で、国民国家をベースとした解決を目指すべきである、という主張が展開されている。

 

正直に言うと、内容が一般市民にもわかるように噛み砕かれて説明されているということを考慮しても、「これって当たり前のことじゃない?」という感想がまず出てきた。アメリカやヨーロッパなどが経済自由主義を推し進める(今は少し状況が違うが)のも何をどう考えても自国の利益のためだし、そのためにわざわざ様々な用語を定義し、日本や世界の状況に無理やり当てはめ、強引にシステマティックに解説しているような印象を受けた。

 

あくまで素人目線での話だが、この本は凡庸だなと思いあとがきを読んでいたら、しかしそこには驚くべきことが書かれていた。
――もし、この時流に逆行するタイトルに興味をそそられて読み始めた読者が「なんだ、当たり前のことが書いてあるだけじゃないか」という感想を持ったならば、本著の目的は十分に達成されたことになるのである――

この一文を見たとたん、私はこの本が出版された2008年の頃を思い出していた。そう、自民党から民主党政権交代せんというとき、もちろんまだ第2次安倍内閣など成立していないのである。
安倍内閣の「アベノミクス」は、間違いなくこの本に書かれている「国力を増強する」方向に進んだ政策である。我々世代とすれば、(それに対しどのような評価を下すかはともかく)アベノミクスのおかげでこれらの論理は自然に理解できるが、もしかすると2008年段階ではあまりそのような思考は世に広まっていなかったのかもしれない。

なるほど、では今現在、この著者は安倍内閣の経済政策を評価しているのだろうかと、最近の著書を調べたところ、2018年に「日本の没落」という新刊を出している。どうやら全然満足いかないらしい。今度読むつもりだ。

 

 

経済はナショナリズムで動く

経済はナショナリズムで動く